「戸建て売却は「買取」と「仲介」のどちらを選ぶべき?選ぶポイントも紹介」

不動産を手放す方法には、買取と仲介の2つが選択肢としてあります。買取は、不動産会社に直接売却することで、すぐに現金化できる手段です。仲介とは、個人や一般消費者に直接売る方法です。
買取は、「早く手放したい人向けで、価格は二の次」と言えます。一方、仲介は、「価格を重視し、時間はかかっても構わない人向け」となります。
不動産を手放す予定の方の中には、早く手続きを終えたいため買取を選ぶ方もいるでしょう。
ただし、不動産の買取では、「予想以上に価格が低かったり」「買取業者が見つからなかったり」といった問題が生じることもあります。
そのため、不動産の買取を検討する際には、買取に関するリスクや特性を理解しておくことが重要です。
この記事では、不動産の買取を検討中の方に向けて、「買取と仲介の違い」、「不動産の相場」、「買取の利点と欠点」、「買取と仲介の適したケース」について解説します。ぜひ最後までお読みください。

1.戸建て買取の相場

通常の戸建ての買取相場は、市場価格の80%程度ですが、具体的な買取価格は物件の状態や立地などによって大きく変動します。
まず、一般的には、不動産会社が買取において目指す利益率は、転売益として約10%程度です。
買取後、不動産会社は必要に応じて修繕作業を行いますが、通常、その費用は物件価格の約10%を見積もります。
このため、「転売益の10%」と「修繕費の10%」を計算することで、一般的な物件では市場価格の約80%が相場となります。
ただし、築浅の物件などの、ほとんど修繕が必要ない場合もあります。このような優良物件では、修繕の必要性がないため、市場価格の約90%で購入してくれることもあります。
一方で、築古物件では、取り壊しや大規模なリフォームが必要な場合もあります。こうした条件の劣る物件は、修繕や改修に大きな費用がかかるため、市場価格の約50%程度になることもあります。
しかも、中には「事故物件」も存在しています。これらは、過去に不幸な出来事があったため、心理的な負担がある場合があります。このような物件は、仲介による価格が市場価格の20~30%程度になることが一般的です。そのため、買取価格も市場価格の10~20%程度になることがあります。
したがって、買取の相場は物件の状況に大きく左右されます。以下に、それぞれのケースにおける相場をまとめました。

買取か仲介かを決める時には、複数の不動産会社に査定を依頼することが理想的です。
それにより査定額や担当者の提案を総合的に考慮し、最適な選択を行うことができます。

2.戸建て買取のメリット

「戸建て買取のメリット」は、主に以下の3つが挙げられます。
(1)迅速な売却
(2)周囲に知られずに売却可能
(3)仲介手数料の負担が不要
これらの点について、詳細に説明していきます。

2-1.早く確実に売れる

戸建て買取は、速やかに売却が可能な点が最大のメリットです。
買取の場合、通常2週間から1ヶ月ほどで売却が完了しますが、仲介の場合は通常5~6ヶ月ほどの時間がかかります。
買取では、まず不動産会社が査定を行い、その後、売買契約が成立します。査定額に納得すれば、すぐに引き渡し手続きに進めるため、手続きがスムーズに進むのが特徴です。
一方、仲介の場合も最初に査定が行われます。
しかしながら、仲介における査定価格は、買い手が購入を検討するであろう価格として提示されるため、その価格での売却が確定するわけではありません。
通常、仲介による売却には買主が見つかるまで約3ヶ月の期間が必要ですが、物件によっては6ヶ月以上かかる場合もあります。
加えて、売買契約から引き渡しまでに1~2ヶ月かかるのが一般的です。
また、買取の場合、不動産会社からのキャンセルがほとんど発生しないという特徴があります。
一方で、仲介では売買契約から引き渡しまでの間に、買主から購入をキャンセルされる可能性もあります。
このため、確実性の面では買取の方が高く、買取契約が成立した段階でほぼ確実に売却が実現することが可能です。

2-2.近所に知られずに売却することができる

買取のメリットの一つは、「近隣に売却の事実が漏れない」という点です。
買取では、不動産会社が一度査定を行い、それで終了することが一般的です。
通常、インターネット広告やチラシを使用しての宣伝は行われません。
一方で、仲介の場合は、販売期間中に複数の購入希望者が物件を訪れることがあります。
また、インターネット広告やチラシの配布も行われます。
仲介の販売期間が長いため、売却の事実が近隣に広まる可能性が高くなります。
このため、離婚やご近所との関係による売却など、売却を近隣に知られたくない場合には、買取がメリットを持ちます。

2-3.仲介手数料がかからない

買取は仲介とは異なり、「仲介手数料が不要」であるという点もメリットです。
また、仲介手数料以外にも、特に不動産会社に支払う必要がある費用はありません。
仲介手数料は、通常、取引金額に応じて以下の速算式で算出される上限額が適用されます。

物件価格が400万円を超える場合、仲介手数料は通常、取引金額の約3%になるため、かなりの金額になります。
一方で、買取は、借金返済などで資金に困っており、仲介手数料を支払う余裕がない人や、直ちに現金が必要な人にも適しています。

3.戸建て買取のデメリット

戸建て買取のデメリットな点は、大まかに以下の3つです。
(1)売却価格が低くなること
(2)買取業者の選択肢が限られること
(3)提示された価格に対する納得感が得にくいこと
それぞれを詳しく見ていきましょう。

3-1.売却価格が安くなる

買取の主なデメリットは、売却価格が低くなるということです。
一般的な物件では市場価格の約80%程度になりますが、解体や大規模なリフォームが必要な物件では約50%にまで下がることもあります。
また、戸建てはマンションと異なり、「取り壊して再販する」という選択肢があるため、マンションよりも買取価格が低くなる傾向があります。

3-2.戸建ては買取会社が少ない

戸建ての買取がマンションに比べて少ないというのも一つのデメリットです。
マンションの場合、買取を行う不動産会社は多いですが、戸建ての買取を行っている会社は限られており、買取業者を見つけるのが難しいという特徴があります。
戸建ての買取会社が少ない理由を挙げると、戸建ての販売価格が予測しにくく、売り残りリスクが高いためです。
過去10年間の平均を見ると、マンションの成約価格は売り出し価格のほぼ99%に達し、売り出し価格と成約価格がほぼ同一になっています。
一方で、戸建ての成約価格は売り出し価格の約80%にとどまり、売り出し価格と成約価格の間に20%もの差が生じています。
戸建てが価格差が生じる理由は、査定が難しいことにあります。
仲介の査定では、売却予想価格が算出されますが、戸建ての場合、予測が外れることが多いため、売り出し価格と成約価格との差が大きく開いてしまいます。
仲介の売り出し価格と成約価格の差を見ると、戸建てはマンションと比べ価格の予測が難しいという特徴が浮かび上がります。
不動産会社にとって、戸建ての買取は、価格の予測が外れるリスクが高く、損失を出す可能性があるため、ビジネスリスクが高いと言えます。
そのため、戸建ての買取を行う不動産会社は少なく、買取を行ってくれる業者を見つけるのが難しいのです。

3-3.価格に納得感が得にくい

戸建ての買取には、価格が不透明で納得感が得にくいというデメリットもあります。
通常は、不動産会社の「言い値」によって決定することが多く、根拠が希薄で価格の透明性が低いと言えます。
一方、仲介の場合は自身でも一定の相場を調査することが可能です。
また、仲介を通じて数ヶ月の販売期間を経て、複数の購入希望者からの価格提示を受けて売却価格を決定するため、納得感を得やすいと言えます。
買取では、1社の査定結果だけで価格に納得するのは難しい場合があります。
買取価格の納得感を得るには、複数の不動産会社から査定を受けて比較検討する必要があります。

4.買取に向いている物件

買取に最適な物件は、以下の条件に当てはまります。
・速やかに売却したい方が所有している物件
・事故物件
・多くの修繕が必要な物件
まず、早急に売却を必要とする方々、たとえば借金の返済が迫っている方や離婚に伴い急いで物件を手放したい方々は、買取が適しています。
次に、事故物件が挙げられます。仲介による売却では、事故物件を売却するのに長期間がかかる可能性がありますが、買取ならすぐに手放すことができ、維持費の負担からも解放されます。そのため、価格が低くても買取で売却した方がメリットがあります。
また、多くの修繕が必要な物件も買取に適しています。不動産会社は、修繕を前提に物件を購入するため、不具合のある物件でも買い取りしてくれます。修繕が必要な物件は仲介では売りにくくなる傾向があるため、買取の方が向いています。
また、取り壊しを必要とする戸建ても買取に向いています。通常の個人消費者は、取り壊しの費用を負担してまで物件を購入することはまれです。ただし、取り壊し費用よりも更地価格が低い場合は買取には応じないことがあります。
以上の条件を満たす戸建ては、買取に適しています。

5.仲介に向いている物件

「できるだけ高く売りたい場合は、買取よりも仲介がおすすめ」と述べましたが、仲介に向いている物件は以下のようなものです。
買取を検討中でも、本当に買取で大丈夫なのか、後悔しないように再度ご確認ください。
仲介に向いているのは、
・時間に余裕のある物件所有者
・立地や築年数が優れた物件
・リフォームが施された物件
最初に、「時間的に余裕のある物件所有者」は仲介に向いています。
時間が十分ある場合、買取で急いで物件を安く売る必要はありません。
次に、「立地や築年数が優れた物件」も仲介向きです。
条件が良い物件なら、仲介でも少し価格を下げるだけで売却が可能です。
例えば、駅から徒歩10分以内や築10年以内の物件は、仲介でもすぐに売れるでしょう。
また、「リフォームが施された物件」も仲介に向いています。
リフォーム済みの物件は売りやすく、通常は相場よりも高く売れます。
早く売りたい場合は、わずかに価格を下げることで、仲介でも迅速な売却が可能です。

まとめ

以上が仲介に向いている物件の特徴です。
戸建ての買取について説明しました。
買取の売却価格の相場は市場価格の80%程度です。
買取のメリットは「早く確実に売れる」という点ですが、デメリットは「売却価格が低くなる」という点です。
また、「買取会社の少なさ」、「価格に納得しにくい」といった点も考慮すべきです。
戸建て買取は、「早く売りたい人が持つ物件」や「事故物件」、「不具合の多い物件」などに適しています。
一方で、「時間的に余裕のある所有者が持つ物件」は、高額な仲介売却がおすすめです。
仲介売却を検討する際は、ぜひワンズホームにご相談ください。

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